構築段階から考える、渦まく知識
構築段階から考える、渦まく知識
構築段階から考える、渦まく知識
レガシーとは《渦まく知識/Brainstorm》を使うか、使わないかである。
このカードのプレイングに対する記事は山ほどある。
しかし、構築の際の注意点に関しては、その強力さから多少の不協和音は無視できてしまう事もあり、非常に少ないと記憶している。
多少なりとも、構築段階から気を使えば、より一層このカードの旨みを引き出せるはずだ。
《渦まく知識/Brainstorm》を使う局面から、その動きの意味を探ってみたい。


《渦まく知識/Brainstorm》を扱う為には、唱えた後にシャフル手段がある事が望ましい。
この事は今更、言うまでもなく一般論だが、これをより詳しく言及すると、《島/Island》、《フェッチランド/Fetch Land》となる。《島/Island》は基本地形タイプと捉えてよい。つまり、1ターン目に青マナを立てるデッキが望ましく、
最低でも2ターン目には青マナを用意できる構成にしたい。
この為、タッチで使おうとする場合、フェッチランドで青マナを持ってきた後に更にシャフル用にも必要になり、都合複数枚のフェッチランドが求められることになる。
これはマナ基盤への負担だけでは無く、必要以上のライフを求めらる事も意味しDelver系への負担を必要以上に掛ける事に繋がってしまう。
それ故、タッチではこのカードは用いられ辛くなり、カードパワーと相俟って、メイン色が青いデッキを押し上げる要因と考えれるだろう。


また、《渦まく知識/Brainstorm》は多少ながらテンポを落としてカードを引き込む、言い換えれば解決策を引き込む為に使われる。
従って、事前の対応を行うカードとの相性は悪く、事後の対応を行うカードとの相性に優れる。
具体例としては、《思考囲い/Thoughtseize》を始めとするハンデスは事前対処。《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》などのヘイトベアーもこれに類する。
《Force of Will》を中心とするカウンターは特殊な立ち位置で、唱えた瞬間に持っている必要性、状況が限定されている事から事前とも考えられるが、ソーサリー、インスタントなどに見るようにそもそもが打消し以外では対処の出来ないものもあり、相手のアクションに対応する形である事からも事後とも考えられる。

これらは《渦まく知識/Brainstorm》との相性という角度から見た話しを行うに当たっては、その必要な青1マナが与える影響から、つまりカウンターに必要なコストがマナであるかという事を基準に判断したい。
《Force of Will》はマナが掛からず、《渦まく知識/Brainstorm》を打つタイミングを制限しない。《目くらまし/Daze》も同様。《呪文貫き/Spell Pierce》、《狼狽の嵐/Flusterstorm》、《対抗呪文/Counterspell》はその意味から相性は優れているとは表現し難い。


しかし、これらは《渦まく知識/Brainstorm》から見た景色。
例えば《思考囲い/Thoughtseize》は相手の手札状況に依存する為に、不要牌となる可能性が高く、不要牌を戻してくれる《渦まく知識/Brainstorm》に対しては此方側からは相性がいい。
《渦まく知識/Brainstorm》→《思考囲い/Thoughtseize》×
《思考囲い/Thoughtseize》→《渦まく知識/Brainstorm》○
つまり、片想い。

同様に《呪文貫き/Spell Pierce》を始めとした上記のカウンター群も相手が呪文を唱えた時に限られる上に、レガシーで使用されているカウンターは限定的なもの中心の為に、やはり不要牌になり易い。
つまり、片想い。
《渦まく知識/Brainstorm》→《呪文貫き/Spell Pierce》×
《渦まく知識/Brainstorm》→《狼狽の嵐/Flusterstorm》×
《渦まく知識/Brainstorm》→《対抗呪文/Counterspell》×
《呪文貫き/Spell Pierce》→《渦まく知識/Brainstorm》○
《狼狽の嵐/Flusterstorm》→《渦まく知識/Brainstorm》○
《対抗呪文/Counterspell》→《渦まく知識/Brainstorm》○

この様に不要牌になる可能性のあるもの、状況に依存され易い類のカードは《渦まく知識/Brainstorm》に対して依存し易と言え、逆説的に《渦まく知識/Brainstorm》のおかげで4枚積みがより許容され易いとも捉えられる。
この考え方は複数枚を必要としていないが、必ず1枚引きたいものに適用される傾向にあり、代表的なものとして《実物提示教育/Show and Tell》、《相殺/Counterbalance》が挙げられる。


一方のマナを必要としないカウンター群は、《渦まく知識/Brainstorm》側から相手の行動を見てからでも、探せるという点で打つタイミングを制限するのではなく、打つタイミングを増やせると考えられる。また、《目くらまし/Daze》に至っては、過剰な土地を手札に戻し“有効な不要牌”を生み出してくれる。
カウンター側からの視点としては、上記の必要のない盤面に於いての戻す為の種。《Force of Will》からは青いカードとしても扱える。
《渦まく知識/Brainstorm》→《Force of Will》○
《渦まく知識/Brainstorm》→《目くらまし/Daze》○
《Force of Will》→《渦まく知識/Brainstorm》○
《目くらまし/Daze》→《渦まく知識/Brainstorm》○
但し、難点はこれらのアクションにシャフルの手段は無い。
最大化するには、別途それを用意する必要はある。


そして最もよく見られる組み合わせフェッチランドは、シャフルの容易さ、アクション制限の薄さから当然、《渦まく知識/Brainstorm》から見た場合の相性は非常に優れる。
しかし、逆の視点からはフェッチ先のカードを引いた場合にそれをデッキ内に戻してくれるという点のみ。フェッチ先以外の土地の過剰分があった時にそれを混ぜる動作はフェッチランド側からの利点とは呼び辛く、上記の関係に比べれば恩恵はそこまで大きくない。
《渦まく知識/Brainstorm》→《フェッチランド/Fetch Land》◎
《フェッチランド/Fetch Land》→《渦まく知識/Brainstorm》△
珍しく、《渦まく知識/Brainstorm》側からの片想い。
友達には思われていそう。


この様に、どちら側に立って見るかによって相性の良し悪しは変わる。
フェッチランドとの相性の良さ、とは何か?
それを突き詰めて行くと、ただ《渦まく知識/Brainstorm》の後に切れば良いだけではない事が解る。双方にとっての利益の最大化を図れば、フェッチ先の土地をライブラリーに押し込むという動作までを含めた行動になる。
何故《Force of Will》が最も好まれるカウンターなのか、青の最大の利点を《渦まく知識/Brainstorm》とした場合、このカードに対して相性の優れるカウンターである点も関係はしているだろう。


因みに、両方から相性がいいのは《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》。
《渦まく知識/Brainstorm》側から見た場合は、シャフル手段。
また、除去された時に不要牌を“アドバンテージを取りながら”稼いでくれる為、戻すための餌となる。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》側からは、サーチ先の装備品を戻してくれる事による能力の誘発の保障。3枚目、4枚目の不要牌になったこのカードのリフレッシュで貢献してくれる。
《渦まく知識/Brainstorm》→《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》◎
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》→《渦まく知識/Brainstorm》◎

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