べるぎーVSふらんす②
2018年7月13日 Footballhttp://zv90en2w90t1.diarynote.jp/201807110518113270/
流石にもう内容を書いても大丈夫そうだし、余りにも愚痴っぽいものだけで内容がなかったので適当に補足。
要するにカウンターをエムバペを軸に行なう為にフランスの右サイドが高い。
一方のベルギーは3-4-2-1を攻撃時には採り、左のウイングバックの位置にはこの試合はアザールが入っていたが、彼はあくまでシステム上の配置で下がってビルドアップに参加するよりも高い位置で中に入ったりと動きながらボールを貰う動きをしていた。
結果的にエムバペのスペースを使う格好になり、そこをサイドバックのパバールが付いてケアしていた為に、フランス側の右サイドは左サイドよりも高めの位置を取っていた。
これは裏を狙う動きを得意とする選手であれば非常にやり易い状況にあるが、彼は足元で受けて自身で打開することが得意であり、その為に高い位置とは言え相手のDFラインの手前側を主として動いていた。
そして、2のシャドーの位置の左にはフェライニが入り、彼自身も裏への飛び出しを得意とするプレイヤーではなく、プレーエリアが幾らか被る。
二人ともがその裏のスペースを使う意識が希薄だったことにより、結果としてエムバペが高めにポジションを取り本来ならば使えるはずのスペースをベルギー側の問題で食い潰してしまい、左サイドが勢いを無くしてしまう形となっていた。
その為、前半の途中からマテュイディが守備の際には開いてサイドのチャドリに付き、グリーズマンが下がってサイドではなく真ん中のスペースを埋める形で対応するにつれ攻撃は停滞を招き、結果としてゴール前に入れる機会も激減した。
ということを話して欲しかったなー、ということでした。
もう一つだけ踏み込むと、ベルギー側も例えば前の試合はルカクをマルセロのサイドに配置したことにより、前半はカウンターのシーンを幾つも創り出していたように、ルカクを左に出したり、右サイドを一度広げてマテュイディとカンテをスライドさせてから左サイドに飛ばして展開するとか、フェライニがポグバに付かれた状態で右サイドに寄ってバランスを崩してみたり、グリーズマンが1列落ちる際のギャップを狙って入り込めるような動きをCMFがする、と言ったことができればもう少し揺さぶれたかなーと、素人は思いました。
流石にもう内容を書いても大丈夫そうだし、余りにも
要するにカウンターをエムバペを軸に行なう為にフランスの右サイドが高い。
一方のベルギーは3-4-2-1を攻撃時には採り、左のウイングバックの位置にはこの試合はアザールが入っていたが、彼はあくまでシステム上の配置で下がってビルドアップに参加するよりも高い位置で中に入ったりと動きながらボールを貰う動きをしていた。
結果的にエムバペのスペースを使う格好になり、そこをサイドバックのパバールが付いてケアしていた為に、フランス側の右サイドは左サイドよりも高めの位置を取っていた。
これは裏を狙う動きを得意とする選手であれば非常にやり易い状況にあるが、彼は足元で受けて自身で打開することが得意であり、その為に高い位置とは言え相手のDFラインの手前側を主として動いていた。
そして、2のシャドーの位置の左にはフェライニが入り、彼自身も裏への飛び出しを得意とするプレイヤーではなく、プレーエリアが幾らか被る。
二人ともがその裏のスペースを使う意識が希薄だったことにより、結果としてエムバペが高めにポジションを取り本来ならば使えるはずのスペースをベルギー側の問題で食い潰してしまい、左サイドが勢いを無くしてしまう形となっていた。
その為、前半の途中からマテュイディが守備の際には開いてサイドのチャドリに付き、グリーズマンが下がってサイドではなく真ん中のスペースを埋める形で対応するにつれ攻撃は停滞を招き、結果としてゴール前に入れる機会も激減した。
ということを話して欲しかったなー、ということでした。
もう一つだけ踏み込むと、ベルギー側も例えば前の試合はルカクをマルセロのサイドに配置したことにより、前半はカウンターのシーンを幾つも創り出していたように、ルカクを左に出したり、右サイドを一度広げてマテュイディとカンテをスライドさせてから左サイドに飛ばして展開するとか、フェライニがポグバに付かれた状態で右サイドに寄ってバランスを崩してみたり、グリーズマンが1列落ちる際のギャップを狙って入り込めるような動きをCMFがする、と言ったことができればもう少し揺さぶれたかなーと、素人は思いました。
べるぎーVSふらんす
2018年7月11日 Footballスタート時のポジションはフランスは4-3-3ベースの可変式。
右のエムバペを守備の時に下げずにカウンターに残す為、降りてきて守備をするのはグリースマンが基本。
その所為で4-2-3-1にも映るし、FIFAの表記はそうなっているけど多分マテュイディのポデション的に4-3-3、恐らく。
相手の遅行の際に中盤を4枚並べる場合は、
グリーズマン>ジルー>エムバペ
の優先度でボール際にカンテが寄せた際の穴埋めに戻る。
またフェライニに対してはポグバが付いて最終ラインに吸収されるときもあり、その際には前線の3枚の内の2枚が下りてくる。
ベルギーは4-3-3ベースから3-4-2-1への可変式。
攻撃の際の3-4-2-1は右サイドのチャドリが上がって、アザールが下がったりとフリーマン気味に動く。
結果としての左上がりの左右非対称でもある。
また引いての守備の時にはボールポジション側のトップの選手が下りてきて、4-4のブロックも部分によっては使用する。ブラジル戦は4-3-3でルカクを外に使い、基本的には4-3のブロックで守っていたことに比べて、前線の3枚の並びが入れ替わったこと、対戦相手による変化が見られる。
この噛み合わせとチャドリが右サイドに移動したこと(ムニエの欠場とか)があって、左サイドの攻撃がいつもよりも勢いがなかったので……
というのは試合の展開にも触れてしまうのでいいとして、そればかりを繰り返していた前半の実況が流石に気になった。その次、そのやり方で何が生まれるのか、どう変化するのかを話してくれると、初心者にもサッカーの楽しさが伝わると思うし、嬉しいですまる
右のエムバペを守備の時に下げずにカウンターに残す為、降りてきて守備をするのはグリースマンが基本。
その所為で4-2-3-1にも映るし、FIFAの表記はそうなっているけど多分マテュイディのポデション的に4-3-3、恐らく。
相手の遅行の際に中盤を4枚並べる場合は、
グリーズマン>ジルー>エムバペ
の優先度でボール際にカンテが寄せた際の穴埋めに戻る。
またフェライニに対してはポグバが付いて最終ラインに吸収されるときもあり、その際には前線の3枚の内の2枚が下りてくる。
ベルギーは4-3-3ベースから3-4-2-1への可変式。
攻撃の際の3-4-2-1は右サイドのチャドリが上がって、アザールが下がったりとフリーマン気味に動く。
結果としての左上がりの左右非対称でもある。
また引いての守備の時にはボールポジション側のトップの選手が下りてきて、4-4のブロックも部分によっては使用する。ブラジル戦は4-3-3でルカクを外に使い、基本的には4-3のブロックで守っていたことに比べて、前線の3枚の並びが入れ替わったこと、対戦相手による変化が見られる。
この噛み合わせとチャドリが右サイドに移動したこと(ムニエの欠場とか)があって、左サイドの攻撃がいつもよりも勢いがなかったので……
というのは試合の展開にも触れてしまうのでいいとして、そればかりを繰り返していた前半の実況が流石に気になった。その次、そのやり方で何が生まれるのか、どう変化するのかを話してくれると、初心者にもサッカーの楽しさが伝わると思うし、嬉しいですまる
速攻の利点として、スペースが大きい事を挙げておきながら、遅行になった時には前線がペナルティエリアの中に入ったままになり、自分たちから最も重要なエリア内のスペースを消すとはこれ如何に?
アジアカップの際にも似たような事を書いた気がするので、簡潔に。
速攻の利点
・使えるスペースが多い
・動きながらの攻撃なので相手がマークをし辛い
・相手側のブロックが整っていない事が多い
・遅行に比べて数的有利になる可能性が高い
が大きな項目として挙げられると思われるが、この内上二つに関しては遅行の際にも工夫してこの状況を作り出す事が可能なものに思われる。
ゴール前の人の集中を避けるためにも、動きを増やす意味でもペナルティエリアの中に最初から張っている人を減らし、中にボールを入れる際に、飛び込む形の方が有効だと思われる。
また、サイドバックがオーバーラップをして相手の両脇を抉る事を行うと、第一にこの選手が動きながらボールを受けられる為に、相手がマークをし辛く、同時に中に入る選手を外に引き出す事が出来、その局面で1対1が作れるならば、その1枚を外すだけでペナルティエリアの中にボールを保持したまま侵入でき、1対2の状況が生まれるならば、見た目そのままに中の選手を1枚引き出す事に成功している。
縦に早い事は有効、ではなく、何故縦に早い事が有効であるかは理解している監督だと思っただけに、外から中に入り込む事に関しては可能性のあった柴崎の交代、また投入選手がスペースのあるところでのドリブルが得意な選手が中心だった事など、あまり喜ばしい内容ではなかったように感じた事を否定はできない。
シュートチャンス≒決定機、であり、決定機の数≒崩しの数、であり、試合の内容から見た場合の結果は妥当と言ってもよいが、その試合内容が展開された事に関しては妥当であったとは到底思えないという、アジアカップの時と大差ない感想を抱かざるを得なかった事に多少の不安はどうしても拭えない。
アジアカップの際にも似たような事を書いた気がするので、簡潔に。
速攻の利点
・使えるスペースが多い
・動きながらの攻撃なので相手がマークをし辛い
・相手側のブロックが整っていない事が多い
・遅行に比べて数的有利になる可能性が高い
が大きな項目として挙げられると思われるが、この内上二つに関しては遅行の際にも工夫してこの状況を作り出す事が可能なものに思われる。
ゴール前の人の集中を避けるためにも、動きを増やす意味でもペナルティエリアの中に最初から張っている人を減らし、中にボールを入れる際に、飛び込む形の方が有効だと思われる。
また、サイドバックがオーバーラップをして相手の両脇を抉る事を行うと、第一にこの選手が動きながらボールを受けられる為に、相手がマークをし辛く、同時に中に入る選手を外に引き出す事が出来、その局面で1対1が作れるならば、その1枚を外すだけでペナルティエリアの中にボールを保持したまま侵入でき、1対2の状況が生まれるならば、見た目そのままに中の選手を1枚引き出す事に成功している。
縦に早い事は有効、ではなく、何故縦に早い事が有効であるかは理解している監督だと思っただけに、外から中に入り込む事に関しては可能性のあった柴崎の交代、また投入選手がスペースのあるところでのドリブルが得意な選手が中心だった事など、あまり喜ばしい内容ではなかったように感じた事を否定はできない。
シュートチャンス≒決定機、であり、決定機の数≒崩しの数、であり、試合の内容から見た場合の結果は妥当と言ってもよいが、その試合内容が展開された事に関しては妥当であったとは到底思えないという、アジアカップの時と大差ない感想を抱かざるを得なかった事に多少の不安はどうしても拭えない。
アジアカップを終えてのアギーレサッカーの分析
2015年1月24日 Football彼の就任と共に発せられた言葉
「選手は90分の内ボールを持っているのは2~3分だけだ。私は、その他の時間を見ている」
個人的には面白い、と感じた。
だが、いざ始まってみると選手を図ると言い戦術練習は皆無。
必然的にこのアジアカップで評価をせざるを得ない状況となった。
彼が、この大会の前に発言から気になった点を拾うと
「フォーメーションは4-3-3。攻撃時は3-4-3で、守備時は4-1-4-1である。」
またこのフォーメーション時は、親善試合のオーストラリア戦にて、アンカーの横のスペースを使われ対策に苦労した。
このスペースを使わる事への対策を聴かれた際には
「選手全員のハードワーク」
と答えている。
状況に応じての判断を求める、という事か、対策を口頭で答えたくなかったのか、はたまた、この時点では具体的な案は持ち合わせていなかったのか。
真相は謎ではあるが、いずれにせよ弱点であるとは認めている点は注目に値する。
また、練習後の記者団への質問には
「クロスの質をもっと求めたい。」
ともコメントしている。
この事から、クロスに関しては監督からの指示、少なくとも助言はあったとみていいだろう。
就任当初から繰り返し言っていた言葉は
「ハードワーク」
基本的に走らない選手には用は無いという事らしい。
以上の事から、彼が直接的に口出し、関与したと思われるのは、フォーメーションへの最低限の言及。
4-3-3と言いながらも、4-1-4-1と3-4-3の可変フォーメーションと口にした事から、これは間違いないだろう。
そして、クロス練習、これも記者団に答えている以上、多少なりとも実際に行ったものではあるだろう。より広く捉えれば、サイド攻撃全体に関与した可能性も考えられる。
本当にクロスだけをただ入れる、という事は当然無いだろう。
ハードワークについては選手選考に影響した、程度に捉えておく事にする。
その上で、この二つとそれに通ずる形での、試合への影響などを分析する。
まず、アンカーの横のスペースをどのような形で埋めていくのか、ここに注目していた。
しかし、実際に大会が始まってもグループリーグのチームはそもそも、ボールを保持でき、ゆっくりと攻め込める程の実力すらなかった。
この為に、この部分への具体的な回答は一切解らなかった。
そうして、いよいよとトーナメントに上がるも、結果はさほど変わらず。
そのまま準々決勝という比較的、早い段階で敗退してしまい、この部分は未知数、解らずじまいとなってしまった。
上記の想定される状況は、第一に相手チームにボールを持たれている事。
そして、第二に日本側がブロックを作っている時だ。
中盤のアンバランスな部分、個人能力に依存した形での守備に就いては、後々、順を追って触れる事にする。
次に、注目したのが監督自らが指示を出したであろう、クロス。
明確に解るものでは無く、広くはサイド攻撃への支持であろうと考え、見る事にしたが、これまた予測通りには行かないもので、本当に解り易くクロスを上げていた。
初戦の内に何度か見られ、恐らくこの練習の成果と呼べるであろう、それを起点にした得点が香川のシュートを岡崎が頭でコースを変えた得点だ。
サイドバックがサイドを駆け上がり、そのクロスに対し、前線の3枚が飛び込む。この事により相手のディフェンス陣のラインを押し下げ、空いたスペースに2列目の選手が飛び込む。
これは監督の言っていた
「攻撃の厚みが無い。賭ける人数が少ない。」
という言葉通り、以前より攻撃の枚数を増やすことに成功してる。
しかし、この試合、他のクロスの場面を見てみると、この得点シーンとは違う形での飛び込みが、最も多くみられていることに気付く。
得点の場面では、前線の3枚がそれぞれ、ペナルティエリアのラインに並ぶ形で立つところを大よそのスタート地点とし、そのまま真っ直ぐに走り込み、そのスペースのファーサイドに香川が詰める形で上がってきている。
だが、この試合で最も多い飛び込みの形は、クロスに対し前線の3枚が真っ直ぐに走り込む事は変わらず。インサイドハーフの香川の動きも変わらないが、逆側のインサイドハーフの遠藤も同じくエリア内に走り込んでいる事が解る。
この事により、ペナルティエリア内に実に5人もの人数をかける事に成功している。
…リスクは?
当然ある。
フォワードに位置する3枚これは当然中に居る。
クロスを上げているのはサイドバックだ。
2列目から飛び出し、クロスに対し飛び込むのは、両インサイドハーフ。
残されたのは、センタバック2枚とアンカー。逆のサイドバックだけ。
どう見ても、人数を賭け過ぎ後ろの枚数が足りていない。
事実として、この形からカウンターへ行かれそうに度々なっていた。
クロスを走り込んだフォワードの選手に入れた場合、それを先に相手に跳ね返されたらボールはペナルティエリアの外付近、所謂バイタルエリアに行く事が多い。
この場所は本来中盤の選手が見るべき場所。
その選手たちが”リスク”を冒しペナルティエリアの中に入っているのだから、当然その球は相手が先に拾う。
ここから、先にボールが殆どでなかったのは、個人能力の差がそれ程にあったから、としか言いようが無い。
加えて、理由を挙げるとしたならば、馬鹿正直に真ん中からカウンターを仕掛けようとしすぎた事も挙げられる。
素直に上がったサイドバックのスペースに起点を一度作り、後ろから選手が追い越す形を取り、カウンターを仕掛ければ少しは違う結果になっただろう。
また、これ程に解り易くボールの零れる位置が解るであろうはずにも拘わらず、その付近に居る選手がボールの出し所を探すようにボールを持ちすぎる場面もあった。
流石にこの戦術はやり過ぎたと反省したのか、2戦目以降は両インサイドハーフまで飛び込み、悪戯に中盤に穴をあける事は無かった。
また、アンカーの長谷部がこのボールの零れる位置を前の試合の経験から学んだのか、初戦よりも高い所に位置取り、このボールを拾えるようになった点も見逃がせない。
このアンカーの位置取りが上がる事に釣られる形であったのかも知れないが、インサイドハーフの遠藤もエリア内への飛び込みは控える様になり、結果として上記のやり過ぎた形からは幾分バランスの取れた形となった。
しかし、これでも尚、問題は残る。
このセカンドボールを拾うのがアンカーである事自体が、本来ならば好ましい事では無い。
当たり前の事だが、中盤の底、錨であり常にどっしりと構えているのが理想である。
その役目の人間が前に出てきているという事は、ここを外された場合後ろはもう最終ラインという保険のかかっていない状況となっている。
例えば、昨シーズンのバイエルンミュンヘンの最終ラインを思い浮かべて欲しい。
ハーフライン付近に2枚のセンターバックを残し、両サイドバックは高い位置を取っている。しかし、この際アンカーはセンターバック2枚の前を基本とし、セカンドボールを拾う、或はカウンターへのファーストディフェンダーはインサイドハーフまたは、ウイングの位置に相当する選手が多い。
やはり、アンカーを安易に前に出す事は、攻撃をモットーにするグアルディオラですら行ってはいない。
更にこの際、注目したいのが最終ラインの枚数。
センターバック2枚のみを基本にし、サイドバックは位置を高めにとっている。一見、こちらの方がリスクの高い様に思われるが、中に勝負の球を入れそのこぼれ球を拾われた時に最もリスクの高い、裏への一気のカウンターは出し手へとプレスをかけてのパスコースの限定とディレイが可能ならばそちらの方が往々にしてリスクは低く抑えられる。
その事から、出来る限りこの部分を増やしながらも攻撃の厚みを作る為に、サイドバックを広く、高く取る事によりインサイドハーフがより、内側でプレーしやすいような工夫が凝らされている。
勿論、この戦術はノイアーという非常に広いカバー能力を有するGKの存在は大きい。
しかし、これ程に極端な後ろの枚数を設定しなくとも、既に高いラインでのサッカーを行う為には、このカバー能力を程度の違いはあれ既に実践レベルで導入されている。
つまるところ、この例と比較した場合の彼の戦術での問題点は2つ。
1つは、ハーフコートでの試合を行っている時にも拘わらず、片方のサイドバックが最終ラインに入っている事により、中盤の枚数の不足。上記のクロス時の形と合わせ最終ラインと前線を繋ぐ選手が実にアンカー1人という攻守が分担された形を見せる事。
彼の言う所のハードワークの重要性だが、これではそれが重要になるのは当たり前というものだ。態々必要以上に中盤にスペースを作っており、ボールが奪われた時の距離感が遠い。自分たちから、必要以上に走る距離を増やしている。
2つには、最終ラインの裏の広大なスペースの守り方。
これに関しては、個人能力に比例する部分も多分にあり、余りこの名目で触れるべき事柄ではないかも知れないが、一貫した選手起用、対応から重要視していなかった事だけは伺えるので、触れる事にする。
要するに、GKの守備範囲だ。
通常、ハーフコートで試合を行う場合、取られたボールを上記の通り自由に扱わせない様な守備を行わなければならない。
しかし当然、ただのクリア気味に蹴りだされたボールや、裏のスペースに目がけて放り込まれるという事まで、防ぎきる事は難しい。それ故、このスペースはGKとDFの双方が合わせて埋めるというのが、このサッカーをやる上で欠かせない。
走り込む選手で、最もゴールに近いのは当然前線に残っていたFW。
そこに最低でも1人はセンターバックが見ている。今回の日本代表では2枚のセンターバックは大方中央に残っており、2枚の何れか近いほう、若しくは2枚で見る形を取っていた。
つまり、この選手たちが走り込むFWを止める訳だか、得てしてFWの方がスピードがある。そこで重要になってくるのが、並走しない事。先に相手の進路に体を入れてしまう事だ。尤も後ろからこの様な事は当然出来ない。先手を取る事が重要な為、予測能力などが求められるが、それ以上にこの行動を第一とする理由は、GKにボールは可能なら任せるという事にある。
進路を塞ぎに入った場合、DFのみで進路を塞ぎに行った場合と、GKが後ろから出てきている状態で進路を塞ぎに行った場合とで、審判が受ける印象が変わる。
前者なら入り方が少しでも遅れれば、確実に決定機の阻止と受け取られ、カードの対象。しかし、後者ならばGKの方がボールに近かったと判断されれば多少の行為には目を瞑られる。
この様にGKの位置が高ければ、DFの対応はボールと選手の双方では無く、片一方の手間で済む。これが可能ならば、カウンターへの対応としてどこまでもFWを追走し、自陣深くまで全員が一旦帰還せざるを得ない状況は回避でき、これまた必要のないハードワークを迫らせずに済んだように感じる。
尤も、この部分は数が少なく、選手の消耗の度合いがこの事で濃くなったとは言えないだろうが。
このクロスの際に生じるリスクと、それに準ずる形での守備時の問題点はある程度挙げた。
立ち返って、クロスに対しての飛び込みの人数を5人ないし4人とした効果の程を見てみる。
まず、FWの各選手の飛び込み方に注目すると、必ず縦へ走り込んでいることが解る。この3選手間での動きに連動性はあっても、それぞれが独立した動きをしており、そこに一対のものとしての動きは見られない。
例えば、コーナーキックを思い浮かべて貰えればいい。
だいたいが、それ程に意味があるのか、と思う程に位置取りで揉めている。
そして、大方が敵味方が密集する形か、誰も居ない空間を作っているはずだ。
この行動は相手のマークを外す為の動きであり、その狙いは人を被らせる事により、付く相手を捕まえ難く、見失いやすく、物理的に人の壁を作りフリーになる為の動きとなっている。
つまり、人と人とが重なる事、交差する事によりマークを外すのが一般的である。また、縦横のみの動きより、斜めの動き、死角に入る、死角から入る訳だ。
にも関わらず、この前線の3枚の入り方は縦に動くのみ。
当然、人と人が連動してはいても、連携はしていない。
必然的にこの走り込む、3人の選手は独力で相手に勝たなければいけない形を強いられている。散々に言われている通り、日本はこの様は独力での競り合いには強さを持たない。
要するにこの3枚はスペースを作る為の囮であり、本命は後ろから走り込む選手。…なのだが、2戦目以降の2列目からの飛び込みが1枚になった状態で、囮の動きに3人もの人を割く効果の程は疑問である。
この前線がクロスする形で動かない事は、この2列目の走り込みの為のスペース作りに起因し、クロスする形で片一方が膨らんで動いた場合、必然的にそのスペースを少なからず使用するからだろう。
しかし、第1戦での得点の形を思い出して貰っても解る通り、この形はゴール前に人が密集する。あの時は、岡崎の素晴らしいプレーに隠れていたが、この時も人が集まっているのが伺える。
今回の大会を総評し、ただの決定力不足と捉えても間違いではないが、シュートシーンでブロックに入られる事が多いのは、必然だ。
サイドバックを上げる為に、ウイングが絞る事は絶対条件に近い。
他の形としては、ウイングが目いっぱいに開き、内側を駆け上がる形。
問題は絞り方で、ニアに飛び込む形を目指す場合と、バイタルエリアに入り中のスペースを確保するやり方に分かれる。
この際に仮にニアに飛び込んだ場合、センターフォワードの選手は真ん中で貰う場合とファーで貰う場合に動きが分かれる。
しかし、逆のウイングが絞ってファーに飛び込んだ場合、センターフォワードの動きは真ん中で貰う以外の選択肢が潰える。
飛び込み方が完全に固定されてしまい、中の選手は守り易くなる。
そして、何よりも完全にゴール前のスペースが潰えている。
一見、後ろにスペースを作っているので、効率的に見えるが、こぼれ球を足元でコントロールする場合と、横からの浮いているクロスに対し直接的に合わせる場合では、精度の差は比較にならない。
また、ゴール前に人を余りにも引きつけている為に、シュートコースが限定され易い、難しいシュートを迫られている様にも見えた。
例えば、UAE戦、豊田がフリーでヘディングをした場面。これはクロスの位置がゴール近く、中に切り込んできた事により相手が引き出され、それに合わせ、豊田もボールから遠ざかる動きをした為に、人の間で受ける事に成功している。
この場面、DFが引き出された事により、ゴール前に見方が居る状況でスペースを作る事に成功している訳だ。
まあ、結果は知っての通り。
耐性が崩れていたにしても、決めて欲しいかったというのが本音。
兎にも角にも、クロスの成功例としては解り易く、その形も良かった場面。
総評としては、前線の人数を増やしたが故に、最も必要な場所のスペースを奪ってしまい、結果として態々難しい状況でシュートを打たざるを得なかった、という事は言えると感じた。
以上の事から、崩す攻めを構築できる監督では無い。
また、リスク管理の面から、攻撃と守備を”切り替え”とし、一体のものと考えていないのではないのかという事が推測される。
カウンターを中心にボールを奪われた時への対応が、個人能力頼み。
よって、戦術面に関しては、現状示されたものでは不足。
一方で、選手の自主性を求める、自由を与えるという点から、以前よりもポディションに拘らない流動性は生まれている。
また、試合中の選手交代には勝負事に対する、勝つ事への執着心のようなものは伺える。
戦術を管理する人間が居る前提で、選手のマネージメント、リーダーとしての決断力を生かす方向性での監督として能力を評価し、協会側の続投の判断であると仮定すれば納得はせずとも、その判断を呑む他ないと個人的には感じた。
協会側の判断が同じくして、戦術担当を据えるか、やはり素人である自分の分析程度では見当違いである事を願うばかりである。
「選手は90分の内ボールを持っているのは2~3分だけだ。私は、その他の時間を見ている」
個人的には面白い、と感じた。
だが、いざ始まってみると選手を図ると言い戦術練習は皆無。
必然的にこのアジアカップで評価をせざるを得ない状況となった。
彼が、この大会の前に発言から気になった点を拾うと
「フォーメーションは4-3-3。攻撃時は3-4-3で、守備時は4-1-4-1である。」
またこのフォーメーション時は、親善試合のオーストラリア戦にて、アンカーの横のスペースを使われ対策に苦労した。
このスペースを使わる事への対策を聴かれた際には
「選手全員のハードワーク」
と答えている。
状況に応じての判断を求める、という事か、対策を口頭で答えたくなかったのか、はたまた、この時点では具体的な案は持ち合わせていなかったのか。
真相は謎ではあるが、いずれにせよ弱点であるとは認めている点は注目に値する。
また、練習後の記者団への質問には
「クロスの質をもっと求めたい。」
ともコメントしている。
この事から、クロスに関しては監督からの指示、少なくとも助言はあったとみていいだろう。
就任当初から繰り返し言っていた言葉は
「ハードワーク」
基本的に走らない選手には用は無いという事らしい。
以上の事から、彼が直接的に口出し、関与したと思われるのは、フォーメーションへの最低限の言及。
4-3-3と言いながらも、4-1-4-1と3-4-3の可変フォーメーションと口にした事から、これは間違いないだろう。
そして、クロス練習、これも記者団に答えている以上、多少なりとも実際に行ったものではあるだろう。より広く捉えれば、サイド攻撃全体に関与した可能性も考えられる。
本当にクロスだけをただ入れる、という事は当然無いだろう。
ハードワークについては選手選考に影響した、程度に捉えておく事にする。
その上で、この二つとそれに通ずる形での、試合への影響などを分析する。
まず、アンカーの横のスペースをどのような形で埋めていくのか、ここに注目していた。
しかし、実際に大会が始まってもグループリーグのチームはそもそも、ボールを保持でき、ゆっくりと攻め込める程の実力すらなかった。
この為に、この部分への具体的な回答は一切解らなかった。
そうして、いよいよとトーナメントに上がるも、結果はさほど変わらず。
そのまま準々決勝という比較的、早い段階で敗退してしまい、この部分は未知数、解らずじまいとなってしまった。
上記の想定される状況は、第一に相手チームにボールを持たれている事。
そして、第二に日本側がブロックを作っている時だ。
中盤のアンバランスな部分、個人能力に依存した形での守備に就いては、後々、順を追って触れる事にする。
次に、注目したのが監督自らが指示を出したであろう、クロス。
明確に解るものでは無く、広くはサイド攻撃への支持であろうと考え、見る事にしたが、これまた予測通りには行かないもので、本当に解り易くクロスを上げていた。
初戦の内に何度か見られ、恐らくこの練習の成果と呼べるであろう、それを起点にした得点が香川のシュートを岡崎が頭でコースを変えた得点だ。
サイドバックがサイドを駆け上がり、そのクロスに対し、前線の3枚が飛び込む。この事により相手のディフェンス陣のラインを押し下げ、空いたスペースに2列目の選手が飛び込む。
これは監督の言っていた
「攻撃の厚みが無い。賭ける人数が少ない。」
という言葉通り、以前より攻撃の枚数を増やすことに成功してる。
しかし、この試合、他のクロスの場面を見てみると、この得点シーンとは違う形での飛び込みが、最も多くみられていることに気付く。
得点の場面では、前線の3枚がそれぞれ、ペナルティエリアのラインに並ぶ形で立つところを大よそのスタート地点とし、そのまま真っ直ぐに走り込み、そのスペースのファーサイドに香川が詰める形で上がってきている。
だが、この試合で最も多い飛び込みの形は、クロスに対し前線の3枚が真っ直ぐに走り込む事は変わらず。インサイドハーフの香川の動きも変わらないが、逆側のインサイドハーフの遠藤も同じくエリア内に走り込んでいる事が解る。
この事により、ペナルティエリア内に実に5人もの人数をかける事に成功している。
…リスクは?
当然ある。
フォワードに位置する3枚これは当然中に居る。
クロスを上げているのはサイドバックだ。
2列目から飛び出し、クロスに対し飛び込むのは、両インサイドハーフ。
残されたのは、センタバック2枚とアンカー。逆のサイドバックだけ。
どう見ても、人数を賭け過ぎ後ろの枚数が足りていない。
事実として、この形からカウンターへ行かれそうに度々なっていた。
クロスを走り込んだフォワードの選手に入れた場合、それを先に相手に跳ね返されたらボールはペナルティエリアの外付近、所謂バイタルエリアに行く事が多い。
この場所は本来中盤の選手が見るべき場所。
その選手たちが”リスク”を冒しペナルティエリアの中に入っているのだから、当然その球は相手が先に拾う。
ここから、先にボールが殆どでなかったのは、個人能力の差がそれ程にあったから、としか言いようが無い。
加えて、理由を挙げるとしたならば、馬鹿正直に真ん中からカウンターを仕掛けようとしすぎた事も挙げられる。
素直に上がったサイドバックのスペースに起点を一度作り、後ろから選手が追い越す形を取り、カウンターを仕掛ければ少しは違う結果になっただろう。
また、これ程に解り易くボールの零れる位置が解るであろうはずにも拘わらず、その付近に居る選手がボールの出し所を探すようにボールを持ちすぎる場面もあった。
流石にこの戦術はやり過ぎたと反省したのか、2戦目以降は両インサイドハーフまで飛び込み、悪戯に中盤に穴をあける事は無かった。
また、アンカーの長谷部がこのボールの零れる位置を前の試合の経験から学んだのか、初戦よりも高い所に位置取り、このボールを拾えるようになった点も見逃がせない。
このアンカーの位置取りが上がる事に釣られる形であったのかも知れないが、インサイドハーフの遠藤もエリア内への飛び込みは控える様になり、結果として上記のやり過ぎた形からは幾分バランスの取れた形となった。
しかし、これでも尚、問題は残る。
このセカンドボールを拾うのがアンカーである事自体が、本来ならば好ましい事では無い。
当たり前の事だが、中盤の底、錨であり常にどっしりと構えているのが理想である。
その役目の人間が前に出てきているという事は、ここを外された場合後ろはもう最終ラインという保険のかかっていない状況となっている。
例えば、昨シーズンのバイエルンミュンヘンの最終ラインを思い浮かべて欲しい。
ハーフライン付近に2枚のセンターバックを残し、両サイドバックは高い位置を取っている。しかし、この際アンカーはセンターバック2枚の前を基本とし、セカンドボールを拾う、或はカウンターへのファーストディフェンダーはインサイドハーフまたは、ウイングの位置に相当する選手が多い。
やはり、アンカーを安易に前に出す事は、攻撃をモットーにするグアルディオラですら行ってはいない。
更にこの際、注目したいのが最終ラインの枚数。
センターバック2枚のみを基本にし、サイドバックは位置を高めにとっている。一見、こちらの方がリスクの高い様に思われるが、中に勝負の球を入れそのこぼれ球を拾われた時に最もリスクの高い、裏への一気のカウンターは出し手へとプレスをかけてのパスコースの限定とディレイが可能ならばそちらの方が往々にしてリスクは低く抑えられる。
その事から、出来る限りこの部分を増やしながらも攻撃の厚みを作る為に、サイドバックを広く、高く取る事によりインサイドハーフがより、内側でプレーしやすいような工夫が凝らされている。
勿論、この戦術はノイアーという非常に広いカバー能力を有するGKの存在は大きい。
しかし、これ程に極端な後ろの枚数を設定しなくとも、既に高いラインでのサッカーを行う為には、このカバー能力を程度の違いはあれ既に実践レベルで導入されている。
つまるところ、この例と比較した場合の彼の戦術での問題点は2つ。
1つは、ハーフコートでの試合を行っている時にも拘わらず、片方のサイドバックが最終ラインに入っている事により、中盤の枚数の不足。上記のクロス時の形と合わせ最終ラインと前線を繋ぐ選手が実にアンカー1人という攻守が分担された形を見せる事。
彼の言う所のハードワークの重要性だが、これではそれが重要になるのは当たり前というものだ。態々必要以上に中盤にスペースを作っており、ボールが奪われた時の距離感が遠い。自分たちから、必要以上に走る距離を増やしている。
2つには、最終ラインの裏の広大なスペースの守り方。
これに関しては、個人能力に比例する部分も多分にあり、余りこの名目で触れるべき事柄ではないかも知れないが、一貫した選手起用、対応から重要視していなかった事だけは伺えるので、触れる事にする。
要するに、GKの守備範囲だ。
通常、ハーフコートで試合を行う場合、取られたボールを上記の通り自由に扱わせない様な守備を行わなければならない。
しかし当然、ただのクリア気味に蹴りだされたボールや、裏のスペースに目がけて放り込まれるという事まで、防ぎきる事は難しい。それ故、このスペースはGKとDFの双方が合わせて埋めるというのが、このサッカーをやる上で欠かせない。
走り込む選手で、最もゴールに近いのは当然前線に残っていたFW。
そこに最低でも1人はセンターバックが見ている。今回の日本代表では2枚のセンターバックは大方中央に残っており、2枚の何れか近いほう、若しくは2枚で見る形を取っていた。
つまり、この選手たちが走り込むFWを止める訳だか、得てしてFWの方がスピードがある。そこで重要になってくるのが、並走しない事。先に相手の進路に体を入れてしまう事だ。尤も後ろからこの様な事は当然出来ない。先手を取る事が重要な為、予測能力などが求められるが、それ以上にこの行動を第一とする理由は、GKにボールは可能なら任せるという事にある。
進路を塞ぎに入った場合、DFのみで進路を塞ぎに行った場合と、GKが後ろから出てきている状態で進路を塞ぎに行った場合とで、審判が受ける印象が変わる。
前者なら入り方が少しでも遅れれば、確実に決定機の阻止と受け取られ、カードの対象。しかし、後者ならばGKの方がボールに近かったと判断されれば多少の行為には目を瞑られる。
この様にGKの位置が高ければ、DFの対応はボールと選手の双方では無く、片一方の手間で済む。これが可能ならば、カウンターへの対応としてどこまでもFWを追走し、自陣深くまで全員が一旦帰還せざるを得ない状況は回避でき、これまた必要のないハードワークを迫らせずに済んだように感じる。
尤も、この部分は数が少なく、選手の消耗の度合いがこの事で濃くなったとは言えないだろうが。
このクロスの際に生じるリスクと、それに準ずる形での守備時の問題点はある程度挙げた。
立ち返って、クロスに対しての飛び込みの人数を5人ないし4人とした効果の程を見てみる。
まず、FWの各選手の飛び込み方に注目すると、必ず縦へ走り込んでいることが解る。この3選手間での動きに連動性はあっても、それぞれが独立した動きをしており、そこに一対のものとしての動きは見られない。
例えば、コーナーキックを思い浮かべて貰えればいい。
だいたいが、それ程に意味があるのか、と思う程に位置取りで揉めている。
そして、大方が敵味方が密集する形か、誰も居ない空間を作っているはずだ。
この行動は相手のマークを外す為の動きであり、その狙いは人を被らせる事により、付く相手を捕まえ難く、見失いやすく、物理的に人の壁を作りフリーになる為の動きとなっている。
つまり、人と人とが重なる事、交差する事によりマークを外すのが一般的である。また、縦横のみの動きより、斜めの動き、死角に入る、死角から入る訳だ。
にも関わらず、この前線の3枚の入り方は縦に動くのみ。
当然、人と人が連動してはいても、連携はしていない。
必然的にこの走り込む、3人の選手は独力で相手に勝たなければいけない形を強いられている。散々に言われている通り、日本はこの様は独力での競り合いには強さを持たない。
要するにこの3枚はスペースを作る為の囮であり、本命は後ろから走り込む選手。…なのだが、2戦目以降の2列目からの飛び込みが1枚になった状態で、囮の動きに3人もの人を割く効果の程は疑問である。
この前線がクロスする形で動かない事は、この2列目の走り込みの為のスペース作りに起因し、クロスする形で片一方が膨らんで動いた場合、必然的にそのスペースを少なからず使用するからだろう。
しかし、第1戦での得点の形を思い出して貰っても解る通り、この形はゴール前に人が密集する。あの時は、岡崎の素晴らしいプレーに隠れていたが、この時も人が集まっているのが伺える。
今回の大会を総評し、ただの決定力不足と捉えても間違いではないが、シュートシーンでブロックに入られる事が多いのは、必然だ。
サイドバックを上げる為に、ウイングが絞る事は絶対条件に近い。
他の形としては、ウイングが目いっぱいに開き、内側を駆け上がる形。
問題は絞り方で、ニアに飛び込む形を目指す場合と、バイタルエリアに入り中のスペースを確保するやり方に分かれる。
この際に仮にニアに飛び込んだ場合、センターフォワードの選手は真ん中で貰う場合とファーで貰う場合に動きが分かれる。
しかし、逆のウイングが絞ってファーに飛び込んだ場合、センターフォワードの動きは真ん中で貰う以外の選択肢が潰える。
飛び込み方が完全に固定されてしまい、中の選手は守り易くなる。
そして、何よりも完全にゴール前のスペースが潰えている。
一見、後ろにスペースを作っているので、効率的に見えるが、こぼれ球を足元でコントロールする場合と、横からの浮いているクロスに対し直接的に合わせる場合では、精度の差は比較にならない。
また、ゴール前に人を余りにも引きつけている為に、シュートコースが限定され易い、難しいシュートを迫られている様にも見えた。
例えば、UAE戦、豊田がフリーでヘディングをした場面。これはクロスの位置がゴール近く、中に切り込んできた事により相手が引き出され、それに合わせ、豊田もボールから遠ざかる動きをした為に、人の間で受ける事に成功している。
この場面、DFが引き出された事により、ゴール前に見方が居る状況でスペースを作る事に成功している訳だ。
まあ、結果は知っての通り。
耐性が崩れていたにしても、決めて欲しいかったというのが本音。
兎にも角にも、クロスの成功例としては解り易く、その形も良かった場面。
総評としては、前線の人数を増やしたが故に、最も必要な場所のスペースを奪ってしまい、結果として態々難しい状況でシュートを打たざるを得なかった、という事は言えると感じた。
以上の事から、崩す攻めを構築できる監督では無い。
また、リスク管理の面から、攻撃と守備を”切り替え”とし、一体のものと考えていないのではないのかという事が推測される。
カウンターを中心にボールを奪われた時への対応が、個人能力頼み。
よって、戦術面に関しては、現状示されたものでは不足。
一方で、選手の自主性を求める、自由を与えるという点から、以前よりもポディションに拘らない流動性は生まれている。
また、試合中の選手交代には勝負事に対する、勝つ事への執着心のようなものは伺える。
戦術を管理する人間が居る前提で、選手のマネージメント、リーダーとしての決断力を生かす方向性での監督として能力を評価し、協会側の続投の判断であると仮定すれば納得はせずとも、その判断を呑む他ないと個人的には感じた。
協会側の判断が同じくして、戦術担当を据えるか、やはり素人である自分の分析程度では見当違いである事を願うばかりである。
2014シーズン 私的 Best 11
2015年1月21日 Football コメント (2)GK
Neuer (FBM)
DF
Lahm (FBM)
T.Silva (PSG)
Pepe (RMA)
Alaba (FBM)
MF
Schweinsteiger (FBM)
Modrić (RMA)
Kroos (RMA)
FW
Messi (FCB)
Benzema (RMA)
C.Ronaldo (RMA)
バロンドール及びに、ワールドベスト11が発表されたので、今更。
Modrić入ってなくて、泣きました。
その他好き勝手言うと、
Pepeの評価が思った以上に低い。David Luizよりは、上位に入って欲しい感じ…。
ワールドカップでやらかしたのは、やはり大きかったのか…。
Schweinsteigerの人の間で受けるプレーも、いまいち話題に上がらない。
Lahm、Kroosと合わせ3人居て、初めてあの中盤な気がする。
本当に真ん中で引き出すのが上手いので、影の功労者を讃える賞を作って与えて欲しい。
今からでも、マケレレを評価する的なもの。
Benzemaさんもあれだけ頑張るし、凄いのに、賞とは無縁。
可哀想なので、こちらも世界最高のCFかポストプレイヤーを決める賞を(
マジック的に言うと、
GK
Neuer (終末/Terminus)
DF
Lahm (師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top)
T.Silva (剣を鍬に/Swords to Plowshares)
Pepe (稲妻/Lightning Bolt)
Alaba (思案/Ponder)
MF
Schweinsteiger (溢れかえる岸辺/Flooded Strand)
Modrić (ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique)
Kroos (渦まく知識/Brainstorm)
FW
Messi (秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets)
Benzema (死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman)
C.Ronaldo (タルモゴイフ/Tarmogoyf)
こんな感じ。
Neuer (FBM)
DF
Lahm (FBM)
T.Silva (PSG)
Pepe (RMA)
Alaba (FBM)
MF
Schweinsteiger (FBM)
Modrić (RMA)
Kroos (RMA)
FW
Messi (FCB)
Benzema (RMA)
C.Ronaldo (RMA)
バロンドール及びに、ワールドベスト11が発表されたので、今更。
Modrić入ってなくて、泣きました。
その他好き勝手言うと、
Pepeの評価が思った以上に低い。David Luizよりは、上位に入って欲しい感じ…。
ワールドカップでやらかしたのは、やはり大きかったのか…。
Schweinsteigerの人の間で受けるプレーも、いまいち話題に上がらない。
Lahm、Kroosと合わせ3人居て、初めてあの中盤な気がする。
本当に真ん中で引き出すのが上手いので、影の功労者を讃える賞を作って与えて欲しい。
今からでも、マケレレを評価する的なもの。
Benzemaさんもあれだけ頑張るし、凄いのに、賞とは無縁。
可哀想なので、こちらも世界最高のCFかポストプレイヤーを決める賞を(
マジック的に言うと、
GK
Neuer (終末/Terminus)
DF
Lahm (師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top)
T.Silva (剣を鍬に/Swords to Plowshares)
Pepe (稲妻/Lightning Bolt)
Alaba (思案/Ponder)
MF
Schweinsteiger (溢れかえる岸辺/Flooded Strand)
Modrić (ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique)
Kroos (渦まく知識/Brainstorm)
FW
Messi (秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets)
Benzema (死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman)
C.Ronaldo (タルモゴイフ/Tarmogoyf)
こんな感じ。
日本vsホンジュラス
2014年11月14日 Football前半戦の感想
・4-3-3というがほぼ4-1-4-1
・押し込んだ時に両サイドが中に絞ってボールを貰いにくるので岡崎の動きが左右の幅が取りづらい
3得点目の場面はそれまでと違い武藤とポディションを入れ替えたのが形を作ったうえで大きい
・インサイドハーフが今までよりも中に絞っている
これにより、サイドバックが追い越していく場面が今までより作り易い
ただ、このせい中が狭く香川と遠藤のどちらか必ず下がってくる形になり香川がゴールから遠くでプレーする場面も多くなっている
これによりウイングの運動量は以前より少なくて済むようになった代わりに、サイドバックの運動量が求められるようになっている
・サイドバックの上がり方が外を回る形しか無いので、中盤の横パスでボールを捉えれた時の距離感が結構危ない
インサイドハーフやウイングがサイドにいっぱいに開いて中に後ろを上げさせる場面も期待したい
後半戦感想
・本田がサイドに開く動きがみられ前半よりピッチを広く使えていた
結果として中のスペースが生まれ中を使う動きも見られるようになった
全体を通しての感想
・遠藤
・長谷部のカバー力
中盤の構成力が上がった事による停滞感の解決という印象は拭えないが、インサイドハーフの位置を絞った事は純粋なウイングの少ない日本では有効な手立てに思えた。流動性は4-3-3を行う上で必ず必要になるので、ある程度形になる見込みが立ったのは明確な収穫。
また、後半に見られたような前線が横に開いてボールを貰い起点を作るという受け方は、相手としては外に引き出されるので、付きづらい。カウンターの一つの形としてもう少し見られてもいい気がした。
・4-3-3というがほぼ4-1-4-1
・押し込んだ時に両サイドが中に絞ってボールを貰いにくるので岡崎の動きが左右の幅が取りづらい
3得点目の場面はそれまでと違い武藤とポディションを入れ替えたのが形を作ったうえで大きい
・インサイドハーフが今までよりも中に絞っている
これにより、サイドバックが追い越していく場面が今までより作り易い
ただ、このせい中が狭く香川と遠藤のどちらか必ず下がってくる形になり香川がゴールから遠くでプレーする場面も多くなっている
これによりウイングの運動量は以前より少なくて済むようになった代わりに、サイドバックの運動量が求められるようになっている
・サイドバックの上がり方が外を回る形しか無いので、中盤の横パスでボールを捉えれた時の距離感が結構危ない
インサイドハーフやウイングがサイドにいっぱいに開いて中に後ろを上げさせる場面も期待したい
後半戦感想
・本田がサイドに開く動きがみられ前半よりピッチを広く使えていた
結果として中のスペースが生まれ中を使う動きも見られるようになった
全体を通しての感想
・遠藤
・長谷部のカバー力
中盤の構成力が上がった事による停滞感の解決という印象は拭えないが、インサイドハーフの位置を絞った事は純粋なウイングの少ない日本では有効な手立てに思えた。流動性は4-3-3を行う上で必ず必要になるので、ある程度形になる見込みが立ったのは明確な収穫。
また、後半に見られたような前線が横に開いてボールを貰い起点を作るという受け方は、相手としては外に引き出されるので、付きづらい。カウンターの一つの形としてもう少し見られてもいい気がした。
W杯 私的 Best 11
2014年7月14日 Football コメント (4)GK
Neuer (GER)
DF
Lahm (GER)
Hummels (GER)
Medel (CHI)
Beasley (USA)
MF
Kroos (GER)
Mascherano (ARG)
Schweinsteiger (GER)
FW
Rodriguez (COL)
Robben (NED)
Müller (GER)
左サイドバックが難しいですね…。
3バックを引いてるチームも多かったので、その場合は役割も変わってきます。
Rojo(ARG)が有力なかもしれませんが、最後まで走る姿勢が気に入りました。
中盤、特にCMFが好きなポディションなので、目に付いた選手も多かったです。
Inler(SUI),Cabaye(FRA),Biglia(ARG),De Jong(NED),Khedira(GER),Díaz(CHI) etc...
どの国もいい選手ばかりでとても楽しかったです。
ポディションは一つ前ですが、Bradley(USA)なども好きでした。
正直、このW杯ではじめて知った選手も多かったので驚きました。
DíazはFCバーゼルに所属ですが、CLでも試合は見た事がなかったので知りませんでした…。
クロアチアはRakitićをもう少し前の方で見たかったですね…。
ELでは調子がよく、ModrićもCLで絶好調でした。
正直、Rakitićを前、Modrićを下がり気味に使った方が生きたと思うんですが…。
兎にも角にも、今まで見たW杯の中で最も楽しかったです。
劇的なゲームが多く、組織的なチーム、いいGKも目立つ素晴らしい大会でした。
Neuer (GER)
DF
Lahm (GER)
Hummels (GER)
Medel (CHI)
Beasley (USA)
MF
Kroos (GER)
Mascherano (ARG)
Schweinsteiger (GER)
FW
Rodriguez (COL)
Robben (NED)
Müller (GER)
左サイドバックが難しいですね…。
3バックを引いてるチームも多かったので、その場合は役割も変わってきます。
Rojo(ARG)が有力なかもしれませんが、最後まで走る姿勢が気に入りました。
中盤、特にCMFが好きなポディションなので、目に付いた選手も多かったです。
Inler(SUI),Cabaye(FRA),Biglia(ARG),De Jong(NED),Khedira(GER),Díaz(CHI) etc...
どの国もいい選手ばかりでとても楽しかったです。
ポディションは一つ前ですが、Bradley(USA)なども好きでした。
正直、このW杯ではじめて知った選手も多かったので驚きました。
DíazはFCバーゼルに所属ですが、CLでも試合は見た事がなかったので知りませんでした…。
クロアチアはRakitićをもう少し前の方で見たかったですね…。
ELでは調子がよく、ModrićもCLで絶好調でした。
正直、Rakitićを前、Modrićを下がり気味に使った方が生きたと思うんですが…。
兎にも角にも、今まで見たW杯の中で最も楽しかったです。
劇的なゲームが多く、組織的なチーム、いいGKも目立つ素晴らしい大会でした。
まさかまさかの。
以下、試合が終わったので表に。
・ハーフタイムの感想
流石に予想だにしなかった前半。
ドイツ優勢は大方の見方だったとは思うけど、誰が前半で5点差を予想したか。
ドイツが前半から出し惜しみなくギアを入れたのは初めてっぽい。
正直、フランス戦を観た時に最初からギアを入れたと思っていたけど…。
前半の2分間しかブラジルの時間が無かった印象。
追記
最終的に1-7の6点差。
決勝トーナメントでの最多失点記録だそうです。
チームの完成度が点差通りにあったと言っても、過言では無かったと思います。
ブラジルの組織力が高くないのは開幕戦からの事です。
しかし、ここまで複数得点は許さず、なんとか勝ち上がってきました。
それだけに、チアゴ・シウバの不在をよりいっそう感じさせるものでした。
以下、試合が終わったので表に。
・ハーフタイムの感想
流石に予想だにしなかった前半。
ドイツ優勢は大方の見方だったとは思うけど、誰が前半で5点差を予想したか。
ドイツが前半から出し惜しみなくギアを入れたのは初めてっぽい。
正直、フランス戦を観た時に最初からギアを入れたと思っていたけど…。
前半の2分間しかブラジルの時間が無かった印象。
追記
最終的に1-7の6点差。
決勝トーナメントでの最多失点記録だそうです。
チームの完成度が点差通りにあったと言っても、過言では無かったと思います。
ブラジルの組織力が高くないのは開幕戦からの事です。
しかし、ここまで複数得点は許さず、なんとか勝ち上がってきました。
それだけに、チアゴ・シウバの不在をよりいっそう感じさせるものでした。
AFC女子アジアカップ 日本VSヨルダン
2014年5月18日 Footballまず、W杯出場決定おめでとうございます!
試合自体は、前半のCK以外落ち着いた試合運びでした。
ですので、あえて気になった事
・宇津木選手のちらしとボールを保持している時のポディショニング
・杉田選手のボールの引きだし方
ついついボランチに目がいってしまいます…。
やはり、好きなポディションがあると目線がそこに寄ってしまいます。
ご存じの通り、日本代表はボールを保持して戦う事をベースにしています。
ボランチの仕事は幾つかあるのですが、注目点はパスの出し方です。
言葉の使い方の齟齬を防ぐ為、使う言葉の自分の意味から説明します。
ここでは、展開、組み立て、ちらし、といった言葉を使います。
展開、これは広く広げる事を意味しピッチを大きく使う事を意味します。
サイドチェンジなどとも呼びますし、ほぼ同義と捉えて構わないと思います。
一応、局面を打開する意味を持ち、広く動かす場合という意味を含みます。
組み立て、これは攻撃の起点となるパスを表します。
大半の場合、そのパスの2、3手後の本命の為の配給です。
ですので、明確な意図を持ったパスであり、スイッチを入れる様な役割です。
ちらし、これは明確な意図を持っていないパスです。
個人的には、問題の先送りという言い方が最も嵌っていると思います。
こう言うと誤解を生みそうですが、要は好きにやっていいよ、という事です。
組み立てはその人を使うパス、ちらしはその人の好きにやらすパスと言えば解り易いと思います。
展開との違いはその動かすボールの幅にもあります。
気になったのは、このちらしの少なさです。
この一番のメリットは、無理をしない、という点です。
ボール保持の時間を大切にするにあたり、これは重要です。
ちらしとは、自分の持っているボールを他の人に渡す事になります。
「自分は穴が見つからなかったから、一端ボールをあげる」という事です。
守備というものは、ボールを中心の位置を基に始まります。
ですので、当然そこに意識は移ります。
この時、自分は穴を見つけられなくても、ボールを貰う人の位置からは穴が見えるかもしれません。
これが、ちらしのパスの第一のメリットです。
穴を見つける為の視点を動かします。
そして、ボールを渡したという事は、自分が貰うまでの動き直し、位置取りの時間がボールを持っている時より簡単に作れます。
つまり、次に自分が攻撃を組み立てる場所を探し、そこに動く事も出来ます。
これが第二の出した側からのメリットです。
そしてこれが連続した場合を考えましょう。
ボールを受けた人が出した人にもう一度ボールを渡します。
そうするとボールの動きに合わせ守備のブロックが動きます。
しかし、この状況が先程と違う位置からのパスから始まっている場合、守備のブロックの戻るまでの時間、位置が変わってきます。
これが第三のメリット、ボールの位置を動かし、穴が開くのを待つという事です。
当然この様な事を考えたうえでボールを動かしいる訳ですので、明確な意図が無いパスと言う表現は相応しくありませんでしたね…。
まあ、そのパス自体から崩しを始める訳ではないと理解して頂ければ結構です。
後半開始からボランチに入った、宇津木選手はこのパスが少なく、その為に後半は試合の動きが少なくなった印象を受けました。
これにより縦に入れたボールの的を絞られやすく、一本の裏への動き以外でのチャンスが減ってしまった様に思われます。
試合の作り方に関しての好みも含まれていますが、もう少し急がずに試合を作って欲しく感じました。
そして、ボールを保持している際のポディションニングです。
これは上記の問題と絡んでの話です。
ボールを動かすという事を行われなかった理由として、これがあげられます。
簡潔にいえば、所謂トライアングルが上手く作れていませんでした。
ボールの逃げ道を二つ作り、球を取られないようにする為の方法ですね。
起点になる選手をケアする様な、守備面でのポディショニングは良い選手なのでそちらの位置取りに引っ張られているのかもしれません。
ただ、これに関しては交代間際には改善の兆し見られていました。
SBからボランチへの変更で対応に多少の時間が掛かったのかも知れません。
次に、杉田選手のボールの引きだし方です。
ボールホルダーの斜め後ろにポディションをとる癖があります。
もちろん大方の場合はそれで正しいのですが、場合によってはその次のプレーを考え、一端CBやSBに落として貰った後の球を貰うような位置取りを行っても良いと思う場面がありました。
これが出来れば、自分で局面を無理に打開せずにより広い場面でボールを受けられる様に感じます。
展開力と視野の広さ、シュートレンジの広さは充分に見せていましたので、人を使う事で自分の仕事を減らす事が出来ればプレーの幅が広がりそうです。
猶本選手の組み立ては相変わらず楽しかったです。
割と簡単にちらして自由にやらせながら、意図がはっきりした展開、仕掛けのパスの早い球を出す組み立ては好きです。
試合自体は、前半のCK以外落ち着いた試合運びでした。
ですので、あえて気になった事
・宇津木選手のちらしとボールを保持している時のポディショニング
・杉田選手のボールの引きだし方
ついついボランチに目がいってしまいます…。
やはり、好きなポディションがあると目線がそこに寄ってしまいます。
ご存じの通り、日本代表はボールを保持して戦う事をベースにしています。
ボランチの仕事は幾つかあるのですが、注目点はパスの出し方です。
言葉の使い方の齟齬を防ぐ為、使う言葉の自分の意味から説明します。
ここでは、展開、組み立て、ちらし、といった言葉を使います。
展開、これは広く広げる事を意味しピッチを大きく使う事を意味します。
サイドチェンジなどとも呼びますし、ほぼ同義と捉えて構わないと思います。
一応、局面を打開する意味を持ち、広く動かす場合という意味を含みます。
組み立て、これは攻撃の起点となるパスを表します。
大半の場合、そのパスの2、3手後の本命の為の配給です。
ですので、明確な意図を持ったパスであり、スイッチを入れる様な役割です。
ちらし、これは明確な意図を持っていないパスです。
個人的には、問題の先送りという言い方が最も嵌っていると思います。
こう言うと誤解を生みそうですが、要は好きにやっていいよ、という事です。
組み立てはその人を使うパス、ちらしはその人の好きにやらすパスと言えば解り易いと思います。
展開との違いはその動かすボールの幅にもあります。
気になったのは、このちらしの少なさです。
この一番のメリットは、無理をしない、という点です。
ボール保持の時間を大切にするにあたり、これは重要です。
ちらしとは、自分の持っているボールを他の人に渡す事になります。
「自分は穴が見つからなかったから、一端ボールをあげる」という事です。
守備というものは、ボールを中心の位置を基に始まります。
ですので、当然そこに意識は移ります。
この時、自分は穴を見つけられなくても、ボールを貰う人の位置からは穴が見えるかもしれません。
これが、ちらしのパスの第一のメリットです。
穴を見つける為の視点を動かします。
そして、ボールを渡したという事は、自分が貰うまでの動き直し、位置取りの時間がボールを持っている時より簡単に作れます。
つまり、次に自分が攻撃を組み立てる場所を探し、そこに動く事も出来ます。
これが第二の出した側からのメリットです。
そしてこれが連続した場合を考えましょう。
ボールを受けた人が出した人にもう一度ボールを渡します。
そうするとボールの動きに合わせ守備のブロックが動きます。
しかし、この状況が先程と違う位置からのパスから始まっている場合、守備のブロックの戻るまでの時間、位置が変わってきます。
これが第三のメリット、ボールの位置を動かし、穴が開くのを待つという事です。
当然この様な事を考えたうえでボールを動かしいる訳ですので、明確な意図が無いパスと言う表現は相応しくありませんでしたね…。
まあ、そのパス自体から崩しを始める訳ではないと理解して頂ければ結構です。
後半開始からボランチに入った、宇津木選手はこのパスが少なく、その為に後半は試合の動きが少なくなった印象を受けました。
これにより縦に入れたボールの的を絞られやすく、一本の裏への動き以外でのチャンスが減ってしまった様に思われます。
試合の作り方に関しての好みも含まれていますが、もう少し急がずに試合を作って欲しく感じました。
そして、ボールを保持している際のポディションニングです。
これは上記の問題と絡んでの話です。
ボールを動かすという事を行われなかった理由として、これがあげられます。
簡潔にいえば、所謂トライアングルが上手く作れていませんでした。
ボールの逃げ道を二つ作り、球を取られないようにする為の方法ですね。
起点になる選手をケアする様な、守備面でのポディショニングは良い選手なのでそちらの位置取りに引っ張られているのかもしれません。
ただ、これに関しては交代間際には改善の兆し見られていました。
SBからボランチへの変更で対応に多少の時間が掛かったのかも知れません。
次に、杉田選手のボールの引きだし方です。
ボールホルダーの斜め後ろにポディションをとる癖があります。
もちろん大方の場合はそれで正しいのですが、場合によってはその次のプレーを考え、一端CBやSBに落として貰った後の球を貰うような位置取りを行っても良いと思う場面がありました。
これが出来れば、自分で局面を無理に打開せずにより広い場面でボールを受けられる様に感じます。
展開力と視野の広さ、シュートレンジの広さは充分に見せていましたので、人を使う事で自分の仕事を減らす事が出来ればプレーの幅が広がりそうです。
猶本選手の組み立ては相変わらず楽しかったです。
割と簡単にちらして自由にやらせながら、意図がはっきりした展開、仕掛けのパスの早い球を出す組み立ては好きです。
選手のモチベーションは高そう。
ここは明確に監督の手腕が窺える。
ただし、戦術には疑問符が残るように感じた。
以下、素人の愚痴。
前線からのプレスは掛かるが、単発で連動性が少ない。
そのプレスの掛け方もコースの限定ではなく、奪いに行くプレス。
それ故その場で取りきる事はできず、縦にボールを入れさせる事を許す。
ただ、プレスの掛かった状況下でユーべ側のボールの精度も高くは無い。
だから、縦に付いたボールをDFラインで取れる。
しかし、ボールの取りどころは最終ライン。
なので、カウンター気味に縦に早く仕掛けても人数は既に揃っている。
結果としてGKとの1対1の様な決定的な場面は作れない。
モチベーションの高さから来る、積極性の高さ故か、ゴールへの意識が強すぎる。
エリア外からコースを限定された状態からでも積極的にミドル。
ブフォンというGKが20年近くプロで経験を積んだ現状。
経験値がものをいう駆け引きや読みが大きいミドルがゴールに繋がるとは考え辛い。
DFラインを引き出す意味で有効ではあるが、それを利用した裏抜けが見られない。
中央で縦に付ける所謂楔が殆どなく、シンプルにサイドに展開する場面が目立つ。
ボールを縦に付ける事により、中央に人を寄せるという手間を掛けていない。
この一つのパスがあると、人が中に寄ってからサイドに開く為、人が動く。
人が動くと、スペースが作れ、スペースが出来れば人を外せる可能性が高まる。
この動作が無い故に、中のマークの準備が出来ていて最後に体を寄せられる。
速攻の際はこの限りではない。
が、今度は縦に付けてからの展開とドリブルで運ぶ場面のみ。
1本で裏へ抜ける場面が無く、ユーべの守備陣に背後を意識させる事をしない。
それ故に、最終ラインが下がらずと3列目の間のスペースを作る事が出来ない。
最もこれはパッツィーニが良く収めてくれた御蔭で良くも悪くも目立たなかったが…。
ここで収まる事が無かったら、前半作れたチャンスの数は半分だっただろう。
ゴール前では3人目が連動して動く事が少ない。
試合中に記憶に残る限り2つ程。
その為、ゴール前での崩しが個人技に頼る形になりがち。
折角ポーリが動き出してもそこに人が連動して動かない。
ここでも、ボールを動かす事により相手の守備陣の間をあける事を行わない。
また、ポゼッション自体は高いが正直数字の上だけの印象が強い。
まず、ボールを動かす事による相手の消耗を行っていない。
これは上記の通り、ボールポゼッションの意味をチーム全体で理解できていない感じ。
そして、数値が高くなった一番の要因。
それがユーべが一発を狙って縦に早く仕掛けているのが大きいように見えてならない。
前線に人数を掛けるのではなく、前線の少数でのカウンター狙い。
これはミラン側の明らかなオーバーペースにある。
同じだけ動きを掛けるのではなく、最小限のエネルギーで前半を乗り切るという作戦。
44分の得点はラッキーな形で前線に起点を作れたが、そこで掛ける人数は流石の判断。
1点のリードでの折り返しは嬉しい誤算だが、失点0は予想の範囲内だっただろう。
そして、ミランは案の定60分でガス欠。
1点のビハインドと相俟って、前半の勢いは後半初めからパタリと無くなった。
連動した動きが攻守ともにほぼ見られないという、非常に残念な結果に終始した。
現代サッカーの素晴らしいところは、組織を持って個を補う所だと思う。
攻撃にしても、守備にしても、局面を断片的に考え数的有利を構築する。
もちろん全体的に見れば同数である事には変わり無い。
が、その小さい領域でボールを取りきる、ゴールを決めきれば結果として影響しない。
この考え方が所謂リスクを冒す、勇気を持つという点に繋がっているはずだ。
正直、セードルフともあろう人間がそれを解らないとも思えない。
勇気を持って、個人重視のスタイルから組織重視のスタイルへの変革を行って欲しい。
最もセリエのサッカーがそもそも個に重点を置いているのは感じる。
攻撃の方法もパス繋ぐ事によりスペースを作るという考えではない。
主にパスでスペースのある場面へボールを移すという感じ。
ただ守備の方法はゾーンプレスの発祥地だけあり、未だにこれを取っている所が多い。
基本は受け身で、ボールを取り返す為に前線で奪いきる事は行わない。
ポゼッションを重要視しても、必ず受ける時間と攻める時間があるといった風潮。
国の色はどうしても出るし、そこも面白さなので、どうにも難しいところ。
同じくして自分が組織的なサッカーが好き、という話なだけであるとも言える訳だ。
ここは明確に監督の手腕が窺える。
ただし、戦術には疑問符が残るように感じた。
以下、素人の愚痴。
前線からのプレスは掛かるが、単発で連動性が少ない。
そのプレスの掛け方もコースの限定ではなく、奪いに行くプレス。
それ故その場で取りきる事はできず、縦にボールを入れさせる事を許す。
ただ、プレスの掛かった状況下でユーべ側のボールの精度も高くは無い。
だから、縦に付いたボールをDFラインで取れる。
しかし、ボールの取りどころは最終ライン。
なので、カウンター気味に縦に早く仕掛けても人数は既に揃っている。
結果としてGKとの1対1の様な決定的な場面は作れない。
モチベーションの高さから来る、積極性の高さ故か、ゴールへの意識が強すぎる。
エリア外からコースを限定された状態からでも積極的にミドル。
ブフォンというGKが20年近くプロで経験を積んだ現状。
経験値がものをいう駆け引きや読みが大きいミドルがゴールに繋がるとは考え辛い。
DFラインを引き出す意味で有効ではあるが、それを利用した裏抜けが見られない。
中央で縦に付ける所謂楔が殆どなく、シンプルにサイドに展開する場面が目立つ。
ボールを縦に付ける事により、中央に人を寄せるという手間を掛けていない。
この一つのパスがあると、人が中に寄ってからサイドに開く為、人が動く。
人が動くと、スペースが作れ、スペースが出来れば人を外せる可能性が高まる。
この動作が無い故に、中のマークの準備が出来ていて最後に体を寄せられる。
速攻の際はこの限りではない。
が、今度は縦に付けてからの展開とドリブルで運ぶ場面のみ。
1本で裏へ抜ける場面が無く、ユーべの守備陣に背後を意識させる事をしない。
それ故に、最終ラインが下がらずと3列目の間のスペースを作る事が出来ない。
最もこれはパッツィーニが良く収めてくれた御蔭で良くも悪くも目立たなかったが…。
ここで収まる事が無かったら、前半作れたチャンスの数は半分だっただろう。
ゴール前では3人目が連動して動く事が少ない。
試合中に記憶に残る限り2つ程。
その為、ゴール前での崩しが個人技に頼る形になりがち。
折角ポーリが動き出してもそこに人が連動して動かない。
ここでも、ボールを動かす事により相手の守備陣の間をあける事を行わない。
また、ポゼッション自体は高いが正直数字の上だけの印象が強い。
まず、ボールを動かす事による相手の消耗を行っていない。
これは上記の通り、ボールポゼッションの意味をチーム全体で理解できていない感じ。
そして、数値が高くなった一番の要因。
それがユーべが一発を狙って縦に早く仕掛けているのが大きいように見えてならない。
前線に人数を掛けるのではなく、前線の少数でのカウンター狙い。
これはミラン側の明らかなオーバーペースにある。
同じだけ動きを掛けるのではなく、最小限のエネルギーで前半を乗り切るという作戦。
44分の得点はラッキーな形で前線に起点を作れたが、そこで掛ける人数は流石の判断。
1点のリードでの折り返しは嬉しい誤算だが、失点0は予想の範囲内だっただろう。
そして、ミランは案の定60分でガス欠。
1点のビハインドと相俟って、前半の勢いは後半初めからパタリと無くなった。
連動した動きが攻守ともにほぼ見られないという、非常に残念な結果に終始した。
現代サッカーの素晴らしいところは、組織を持って個を補う所だと思う。
攻撃にしても、守備にしても、局面を断片的に考え数的有利を構築する。
もちろん全体的に見れば同数である事には変わり無い。
が、その小さい領域でボールを取りきる、ゴールを決めきれば結果として影響しない。
この考え方が所謂リスクを冒す、勇気を持つという点に繋がっているはずだ。
正直、セードルフともあろう人間がそれを解らないとも思えない。
勇気を持って、個人重視のスタイルから組織重視のスタイルへの変革を行って欲しい。
最もセリエのサッカーがそもそも個に重点を置いているのは感じる。
攻撃の方法もパス繋ぐ事によりスペースを作るという考えではない。
主にパスでスペースのある場面へボールを移すという感じ。
ただ守備の方法はゾーンプレスの発祥地だけあり、未だにこれを取っている所が多い。
基本は受け身で、ボールを取り返す為に前線で奪いきる事は行わない。
ポゼッションを重要視しても、必ず受ける時間と攻める時間があるといった風潮。
国の色はどうしても出るし、そこも面白さなので、どうにも難しいところ。
同じくして自分が組織的なサッカーが好き、という話なだけであるとも言える訳だ。