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Death and Taxesを使う意味
2016年4月2日 Death and Taxes
プリズン系のカード+クロックという形のデッキとして【Eldrazi】が台頭してきた今日、専用の2マナランドを2種擁することに裏付けされた安定性から他のストンピィを食らいつつある。
これは、《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》亡き後の【Death and Taxes】にも例外ではない。2マナランドこそ有していないものの、その本質はプリンズンカードを生物の《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》、《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》で補うことで、プリズンカードのみを引いたときの負け筋を軽減していたに近い。
つまり、1ターン目にプリズン系のカードを展開できないストンピィに近しい【Death and Taxes】は【Eldrazi】に比べて【Storm】系のデッキに弱く、また対処を迫る驚異の差から【Miracle】に対しても分が悪い。
その現状で【Death and Taxes】を使う意味はあるのか、という話に当然なる訳だ。
上記の二つへの相性を【Eldrazi】より改善するには色を増やしたり、デッキのカードを大幅に変えたり、といった構築の見直しが必要であり、現実的ではない。この色を増やすことについては少し後に触れる。なので、【Eldrazi】が苦手としている相手への相性さでもち上回るのではなく、住み分けるという方向を採る。
狙うのは、【Miracle】と【Eldrazi】に対して比較的相性が良く、数が増えることが予測される【Sneak Show】や【BUG Shardless】、【BUG Delver】、次点で【Lands】と【Grixis Delver】に対して【Eldrazi】と同等以上の勝率を取ることが目標に挙がる。
【Sneak Show】にはもともとから分が良く、特別な工夫を凝らす必要性は薄く、それ故【BUG Shardless】、【BUG Delver】に対して勝ちに行くことを目標に組むことになる。
そこで重要になるのは、その二つのデッキが《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》に依存した形でテンポを形成している点であり、また除去が《突然の衰微/Abrupt Decay》を中心に《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》で保管されていることが多いことである。この2枚の除去は《ルーンの母/Mother of Runes》に弱く、パワーカードの塊であるはずのカラーリングのこの色のとの試合は、その実《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》、《Hymn to Tourach》、そして、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》という3点が焦点になり易い。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》は上記の通りにデッキ構築の欠陥ともいえるカードパワーを重視した代償のテンポを改善させて、《Hymn to Tourach》はカードの落ち方次第ではいくらでも負けに繋がり、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》はクリーチャーの線の細さからダメージレースとして成り立ち辛い。飛行クロックは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を通り抜けられるものの、それはその段階でのレースが成り立っている或いは、地上が固まっている場合のみである。これは、互いの場が広がっている場合にのみ起こり得ることであり、相手側の除去が薄い引きをした場合、《ルーンの母/Mother of Runes》が機能している場合、そして《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》のいずれかが必要になる。また、除去の薄い引きの場合は、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を中心としたクリーチャーが多量に並ぶことになるが、その場合のラインナップは《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》、《闇の腹心/Dark Confidant》、或いは、《悪意の大梟/Baleful Strix》、《断片無き工作員/Shardless Agent》であり、前者はクロックの面でダメージレースが怪しく、後者はアドバンテージの面で不利に立っており、空も通れる状況とは言い難い。
従って、現状の使用理由に為るこれらに対しての勝率を一定以上確保する為には、それらに強いカードの枚数を増やすことが求められる。
《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》や《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》というのが具体的なカードになるが、これらはそれぞれ《罰する火/Punishing Fire》、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、《稲妻/Lightning Bolt》を見られ【Jund】に強い《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》と、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》、《悪意の大梟/Baleful Strix》を見られ【BUG Shardless】、【BUG Delver】に強い《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》となっている。
勿論、《毒の濁流/Toxic Deluge》には《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》のほうが優秀であったりと一概には言えないものの、回避能力も持たず物量に付き合わざるを得ない上に《タルモゴイフ/Tarmogoyf》に戦闘面で負けるためにサポートを必要とするなど比較的、上記のような傾向が強い。また、《Hymn to Tourach》を強みに挙げなかった理由は、2枚程度ではそこに間に合うかどうかの保証がないこと、そして握っていたとしても最序盤の手札が多い段階での2枚からそのカードが選択されるかどうかが最終的には運に左右され、更には選択されなかった場合には何の仕事も行っておらず、個人的に全く信頼が置けないからである。そもそも、《Hymn to Tourach》がそちらに当たらなかったということは他のリソースが削られているわけで、生物が落ちたなら《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》に繋ぐまでのプレッシャーを失い、土地が落ちたならそもそも残った《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》が場に出ることが無くなるような代物であり、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》の枚数すら少ない相手に果たして本当に必要であるのかという話である。なので、認識としては《Hymn to Tourach》に強いのではなく、《Hymn to Tourach》に弱くないが正解である。
そして、次点の【Grixis Delver】を意識したときに【BUG Delver】と合わせて、《不毛の大地/Wasteland》に強いことが求められ、上記の色の追加が【Death and Taxes】の選択理由を薄れさせてしまう。これには今更の説明は必要がないと思うので簡潔に。《不毛の大地/Wasteland》と土地の交換はまだしも、《目くらまし/Daze》を機能させてはいけない。
そして、【Lands】になるが…正直に言って厳しい相手なので、《ちらつき鬼火/Flickerwisp》と《安らかなる眠り/Rest in Peace》の分だけ【Eldrazi】より勝てるのではないのかと開き直り、サイドに《真髄の針/Pithing Needle》や《大変動/Cataclysm》、《幽霊街/Ghost Quarter》を数枚とってお茶を濁すことにしたい。
要するに、【BUG】を意識するのなら、サイドの《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》のスロットを、まずはメインとサイドを合わせて《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》が3枚になるように確保するべきではないのか、というお話であり、色を増やすことも現状だとデッキ選択の価値を失わせるのでやめましょう、という話。【Eldrazi】対策の特殊地形メタが刺さっても笑えないという理由もある。
これは、《コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor》亡き後の【Death and Taxes】にも例外ではない。2マナランドこそ有していないものの、その本質はプリンズンカードを生物の《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》、《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》で補うことで、プリズンカードのみを引いたときの負け筋を軽減していたに近い。
つまり、1ターン目にプリズン系のカードを展開できないストンピィに近しい【Death and Taxes】は【Eldrazi】に比べて【Storm】系のデッキに弱く、また対処を迫る驚異の差から【Miracle】に対しても分が悪い。
その現状で【Death and Taxes】を使う意味はあるのか、という話に当然なる訳だ。
上記の二つへの相性を【Eldrazi】より改善するには色を増やしたり、デッキのカードを大幅に変えたり、といった構築の見直しが必要であり、現実的ではない。この色を増やすことについては少し後に触れる。なので、【Eldrazi】が苦手としている相手への相性さでもち上回るのではなく、住み分けるという方向を採る。
狙うのは、【Miracle】と【Eldrazi】に対して比較的相性が良く、数が増えることが予測される【Sneak Show】や【BUG Shardless】、【BUG Delver】、次点で【Lands】と【Grixis Delver】に対して【Eldrazi】と同等以上の勝率を取ることが目標に挙がる。
【Sneak Show】にはもともとから分が良く、特別な工夫を凝らす必要性は薄く、それ故【BUG Shardless】、【BUG Delver】に対して勝ちに行くことを目標に組むことになる。
そこで重要になるのは、その二つのデッキが《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》に依存した形でテンポを形成している点であり、また除去が《突然の衰微/Abrupt Decay》を中心に《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》で保管されていることが多いことである。この2枚の除去は《ルーンの母/Mother of Runes》に弱く、パワーカードの塊であるはずのカラーリングのこの色のとの試合は、その実《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》、《Hymn to Tourach》、そして、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》という3点が焦点になり易い。
《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》は上記の通りにデッキ構築の欠陥ともいえるカードパワーを重視した代償のテンポを改善させて、《Hymn to Tourach》はカードの落ち方次第ではいくらでも負けに繋がり、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》はクリーチャーの線の細さからダメージレースとして成り立ち辛い。飛行クロックは《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を通り抜けられるものの、それはその段階でのレースが成り立っている或いは、地上が固まっている場合のみである。これは、互いの場が広がっている場合にのみ起こり得ることであり、相手側の除去が薄い引きをした場合、《ルーンの母/Mother of Runes》が機能している場合、そして《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》のいずれかが必要になる。また、除去の薄い引きの場合は、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》と《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》を中心としたクリーチャーが多量に並ぶことになるが、その場合のラインナップは《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》、《闇の腹心/Dark Confidant》、或いは、《悪意の大梟/Baleful Strix》、《断片無き工作員/Shardless Agent》であり、前者はクロックの面でダメージレースが怪しく、後者はアドバンテージの面で不利に立っており、空も通れる状況とは言い難い。
従って、現状の使用理由に為るこれらに対しての勝率を一定以上確保する為には、それらに強いカードの枚数を増やすことが求められる。
《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》や《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》というのが具体的なカードになるが、これらはそれぞれ《罰する火/Punishing Fire》、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、《稲妻/Lightning Bolt》を見られ【Jund】に強い《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》と、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》、《悪意の大梟/Baleful Strix》を見られ【BUG Shardless】、【BUG Delver】に強い《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》となっている。
勿論、《毒の濁流/Toxic Deluge》には《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》のほうが優秀であったりと一概には言えないものの、回避能力も持たず物量に付き合わざるを得ない上に《タルモゴイフ/Tarmogoyf》に戦闘面で負けるためにサポートを必要とするなど比較的、上記のような傾向が強い。また、《Hymn to Tourach》を強みに挙げなかった理由は、2枚程度ではそこに間に合うかどうかの保証がないこと、そして握っていたとしても最序盤の手札が多い段階での2枚からそのカードが選択されるかどうかが最終的には運に左右され、更には選択されなかった場合には何の仕事も行っておらず、
そして、次点の【Grixis Delver】を意識したときに【BUG Delver】と合わせて、《不毛の大地/Wasteland》に強いことが求められ、上記の色の追加が【Death and Taxes】の選択理由を薄れさせてしまう。これには今更の説明は必要がないと思うので簡潔に。《不毛の大地/Wasteland》と土地の交換はまだしも、《目くらまし/Daze》を機能させてはいけない。
そして、【Lands】になるが…正直に言って厳しい相手なので、《ちらつき鬼火/Flickerwisp》と《安らかなる眠り/Rest in Peace》の分だけ【Eldrazi】より勝てるのではないのかと開き直り、サイドに《真髄の針/Pithing Needle》や《大変動/Cataclysm》、《幽霊街/Ghost Quarter》を数枚とってお茶を濁すことにしたい。
要するに、【BUG】を意識するのなら、サイドの《萎れ葉のしもべ/Wilt-Leaf Liege》のスロットを、まずはメインとサイドを合わせて《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》が3枚になるように確保するべきではないのか、というお話であり、色を増やすことも現状だとデッキ選択の価値を失わせるのでやめましょう、という話。【Eldrazi】対策の特殊地形メタが刺さっても笑えないという理由もある。
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